日本交渉協会常務理事の窪田氏をゲストにお迎えし、孫氏の兵法で読む交渉学㉒「行軍篇」その2をお届けします。本エピソードでは、前回の「行軍篇」で学んだ地形の利や兆候の観察術を現代の交渉へと応用。「渡河の原則」から紐解くサンクコスト効果やフット・イン・ザ・ドア、情報過多で判断を狂わせる「口車戦術(スノージョブ)」といった心理的罠を解説します。さらに、断片的な情報から相手の状況や未来を高精度に予測するための思考法(フィリップ・テトロックの超予測力)を紐解きます。 ◎窪田恭史氏のご経歴 日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事 ナカノ株式会社 代表取締役 日本古着リサイクル輸出組合 理事長 表情分析、FACS認定コーダー 日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター 早稲田大学政治経済学部卒 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。 【TODAY’S TOPICS】 ◎「渡河の原則」とサンクコストの罠 ・半渡を撃つ心理:川を半ば渡った敵が引くに引けなくなる構造と、投資した時間・労力・資金を惜しんで撤退できなくなる「サンクコスト効果」の共通点 ・引き返す勇気:苦労して得たものほど執着する心理傾向を理解し、相手の「ここまでやったのだから」という揺さぶりに乗らず、引くべき交渉から撤退する重要性 ◎泥沼と視界不良の戦術への対処法 ・フット・イン・ザ・ドアと沼沢地:一度入り込むと抜け出せない構造を利用した分配型交渉戦術への警戒 ・口車戦術(スノージョブ):専門用語や無関係な情報を大量に浴びせ、認知負荷を高めて不利な合意へ誘導する戦術への防御策(徹底した質問と専門家の同席) ◎断片的な情報から背後を読む「超予測力」 ・予測力は訓練で伸びる:P・テトロックの研究が証明した、一般人でも専門家を凌駕する予測精度の高め方 ・超予測者を目指す思考法:問題を小さく分解する/新しい情報が得られるたびに判断を漸進的に更新する/自身の考えを仮説として扱い、確率で捉える ・心構えの柔軟性:ルールそのものを絶対視せず、実践とフィードバックを繰り返す姿勢 次回は、これらの洞察をさらに深め、非言語情報とりわけ「表情から相手の感情を読み取り交渉に活かす方法」をお届けします。 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。 Rss Apple Podcaster →