日本交渉協会代表理事の安藤による「現状打破の交渉学」シリーズ第2回は、「弱者のための交渉」後編をお届けします。前回に続き、ハーバードのマイケル・ワトキンス著『ビジネス交渉術』(原題:Breakthrough Business Negotiation)より、資金や資源に乏しい「弱者(ネズミ)」が、巨大な「強者(象)」と対等に渡り合い、成果を上げるための実践的な原理を解説します。29歳で起業し、大企業との提携を成し遂げてきた安藤自身の体験談も交え、ビジネス現場で生き残るための具体的な戦略を紐解きます。


【TODAY’S TOPICS】

◎強者と対等に渡り合うための実践原理

  1. 相手を「縮小化」する:巨大企業と交渉する際は、特定の部門やキーパーソンに絞ってアプローチする。
  2. 自分自身を「増大」させる:組織外も含めて味方を増やし連合を形成し、交渉力を強化する。
  3. 一連の取引で「弾み」をつける:初期の適切な交渉成果を足がかりにし、その後の取引をスムーズに進める。
  4. 「競争力」を有効活用する:複数の大企業同士を競わせる状況を作り出し、弱者の立場から交渉力を引き出す。
  5. 「自制」し、安易な言いなりにならない:相手の無理難題に対して、他社との協定等を理由に毅然と断る選択肢(BATNA)を保持する。
  6. 「情報」で優位に立つ:相手組織の意思決定プロセスやキーパーソンの関心、動機を徹底的に把握して臨む。
  7. 「交渉プロセスの主導権」を握る:力で劣る立場であっても、交渉の手順やアジェンダの設定など主導権は譲らない。
  8. 「実施(履行)」を念頭に交渉する:合意後も相手が合意内容を実施するまで代替案(BATNA)を保持し続ける。
  9. 「学習する組織」を構築する:過去の交渉から迅速に学び、ノウハウを共有して組織全体の交渉力を引き上げる。
  10. 「優れた組織能力」を構築する:適切な交渉チームと調整機構を整え、交渉力を総合的に高める。


◎安藤の実体験から学ぶ「弱者の交渉道」

・1社への過度な依存を避け、常に複数の大手クライアントとの提携を水面下で維持する重要性。

・「弱者だからこそ」徹底的な準備と情報収集、そして退路(BATNA)の確保がビジネスの成否を分ける。

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