喫茶店に勤めているボクの考えを申し上げたいと思います。教育にしても、法律にしても、経済にしても、政治にしても。あらゆることを予測し、コントロールし、合理的に振る舞うよう求めるいまの現代社会は、明らかに行き過ぎであり、狂っていると、喫茶店に勤めているボクは感じています。たとえば。自然に対しても、徹底した予測とコントロールを求める。小さな子供に対しても、過度な予測とコントロールを求める。世論に対しても、操作をしてまで予測とコントロールを求める。「あのねぇ。そんなことを続けてればさ、予測とコントロールがなけりゃ動けない、何をしていいのかわからない。そんなやつが続出するってのがわからんのかね」つまりですな、その、とても非合理的な社会になるとわかんないのかね、と喫茶店に勤めているボクは、カウンター越しにお客様に繰り返し申し上げているのです。「まったくよぉ、科学は万能じゃねんだぞ、こら」と、ありとあらゆる制服を着た「現場」が、大きな声で叫べばいいのよ。「薬は万能じゃねぇぞ、こら」、「教師は万能じゃねぇぞ、こら」「だからよぉぉぉぉぉぉ、自分である程度考えてくんないとよぉぉぉぉぉ、困っちゃうのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」喫茶店に勤めているボクは、なんでみんな、文句言わないのか謎です。たとえば子供というものは、突飛なことをするものです。突飛なことをすると書いて子供と読むんです。子供の突飛に付き合ってあげるのが、教育なんじゃないですかっ。突飛なことをしちゃダメっというのは、教育でもなんでもないんじゃないですかっっ。あなたね、予測できずコントロールできないことはそんなに恐ろしいですか。そちらのあなたね、予測できずコントロールできないことはそんなに不安ですか。現場ではないどこかで。予測とコントロール可能なデータを操って、「ほら予測できた、コントロールできたよ」と呑気に鼻を膨らませてる連中を見て、「そったらこと 当たるも八卦、当たらぬも八卦に、なにを偉そうに」と。現場はみんなで笑えばいいのにと、喫茶店に勤めているボクは思いますです。路地裏の喫茶店で、今日も蝶ネクタイを締め灰皿を洗っているボクは、お客さんの小さな声がよく聞こえるよう、今日も念入りに耳くそをほじっています。

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