40年以上渋谷で営業しているレストランの店主が知り合いにいます。その彼が、

「ランチで並んでるお客を、ボクは順番に入れない。常連は先に、新規は後回し。それで文句言われても、うちはうち」って言ってました。

そういう考え方が大事だよなー、さすが長くやってるとこは潔い、とボクは思いました。

そんなはなしをどこかでしたら、こんな意見をボクに言ってくれるヒトがいました。

「常連をひいきするのは、身内びいきですよね?それはあまりいい気がしません。身内びいきされなかった人の気持ちを想像すると、仲間はずれにされた時のいや~な気持ちがわかるからです。

もし自分がひいきされる側にいたとしても、何かがまかり間違えば、いつか自分が差別される側にまわるな~と思っちゃう怖さもあります。

これは、真の意味での「ひいき」をされたことがないからでしょうか??」

そう言ってくれたんですね。はい、たしかに、その気持はよくわかります。

ボク自身は、身内びいきではないので、身内をこれみよがしにえこひいきするヒトは嫌いです。

ただ、お店をやっているとですね。やれること、やれないことがあるとしたら、やれないことのほうが圧倒的に多いのが現実です。

では微力な自分たちは、なにを優先してやるのか。いつも常に考えて取り組む必要があります。

やれることだけを、やるしかないのです。たとえなんと言われようと、やれないことまではやらない。ボクがマメヒコで学んだ教訓のひとつです。

ボクが一番避けたい結論は、全部やろうとして、結局、なにひとつやれなかった、なのです。

通常、ランチで並んでいるお客さんは、並んだ順番にランチにありつけると思っている。

それは誰しもが理解できる、単純明快なルールですが、それはけして万能ではない。

そもそも、人間とはかなり複雑です。長くお店をやっていれば、店とお客との関係もそれぞれ複雑でしょう。

その複雑な人間の営みは、生きる上でとても魅力的ではないでしょうか。運用しやすい単純なルールは万能で、その単純さからはみ出る複雑な営みは、例外なく許してはいけない、とするのは、とてもつまらないことだし、むしろ乱暴だとボクは思います。

「ランチで並んでるお客を、ボクは順番に入れない。常連は先に、新規は後回し。それで文句言われても、うちはうち」と言ったレストランの店主も、お客さんをこれみよがしにえこひいきするような、乱暴なヒトではありません。

ともすると、運用しやすい単純なルールが万能だと思い間違ってはいけないのではないかと。

対談の中でも、ボクらカフェ店主は色んなお客さんと出会うけれど、ほんとうの出会いは少ない、というような話をしています。

自分たちの両手が小さくなるときほど、その両手に乗せるものは、慎重に選ぶようになるものです。

時代が変わろうとしてますが、みなさんは選んだり、選ばれたりするのは苦手でしょうか?

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